イライラとごはん

わたしの上司はバカだ。

 

うまく仕事を振れないし、順序立てて仕事を組めない。

面倒なことは少し後回しにするし、だいたい毎日体調が悪い。

体調管理できない大人ってなんて情けないのだろう。

とはいえあまり嫌いではないのだが。

 

でもいつもはあまり気にならないのに、今日は彼の怠惰的態度になんだかイライラしてしまった。

それでつい不機嫌な態度をとってしまい、その罪悪感と、上司への不満が喉まで出かかるのを抑えながら1日を過ごした。

 

帰りの電車でもずっと眉間にもやもやの膿が溜まって、それが蠢いているみたいで頭が重かった。

 

電車に揺られていたら、しかしたったちょっとのことでイライラしているわたしも、十分バカだなと思い立った。

上司の気まぐれに柔軟になれないのも、まとまりのない話を隅まで聞いて自分の中でうまく組み立てられないのも、わたしの脳みその運動が足りないからだと思った。

この文章を読んでわかるように、わたしも体系立てて言語化することが苦手だ。

 

ようは自分と似たような欠点が、上司にはあり、それをみてイライラしてしまったのだ。

そもそも上司をバカにしている時点で低レベルだ。

 

 

上司の指示をきちんと形にして、他人に提供することが仕事なのだ。

イライラして、ただ同じ思考ををぐるぐるとめぐらせても、仕事の終着点には辿り着かないのだ。そこにたどり着くことだけはやらなくちゃいけない。

仕事と人間関係が同時に交わると、これほど面倒なことはないとわかったが、それはわたしの頑張るしかないことなのだとも思えた。

 

そこまで考えて、電車が家の最寄駅に着いた。

スーパーに行って買い出しをした。なんとなくビールは買わないでおいた。

 

家に帰って、パスタを大盛り作って食べて、デザートのブルーベリーを入れたヨーグルトまで食べて、やっと気持ちが落ち着いた。

 

結局美味しいご飯が食べたかっただけなのだ。

人間ってそういうもんだ。

 

お腹いっぱいになったし、仕方がないから言われたことを羅列して、自分で勉強しといてやろう。

仕事だからさ、仕方がないわけじゃないけど。

まだちょっと上司の態度に納得はいってないけど。

 

仕方ない。

いつもこんな生意気な部下を相手にしてくれて、上司、本当にいつもありがとう。